日本企業は何故ゼネラリストばかり作るのか?

どうもタカヤです。

今日は世界の七不思議、「日本企業が何故ゼネラリストばかりつくるのか?」を解明していきたいと思います。


これ、めちゃくちゃ不思議というか、変じゃないですか。

だって、


企業は新卒で入職した人にはジェネラリストになるよう求めます。

その要求に応えるため、2―3年くらいで部署をコロコロ変えていく流れになっている。

しかも2―3年で異動しない場合でも、部署内の仕事は全部できるようになれと求められる。

その一方、


中途入職者には、スペシャリストであることを求める。専門性の高い仕事が出来ないと、採用すらされない仕組みになっている。


つまり、

ーーーーーーーー
新卒はジェネラリストを育てるのに、中途入職者を採用する時にはスペシャリストを求める。

それなのに、何故最初からスペシャリストを育てないのか?
ーーーーーーーー


本当に不思議。


そもそも論、

企業としてはバリバリのスペシャリストを取り揃えて、レベルの高い仕事をしてもらった方が利益が出ます。

実際、専門職採用をしているアメリカの生産性は日本の1.4倍です。日本の生産性の低さが目立ちます。


そんな前提があるにもかかわらず、やっぱり新卒はジェネラリストになるように育成する。

企業側にとって、ジェネラリストを育成するメリットあまり存在しない。

少なくとも利益面でのメリットは、ほぼ皆無と言っていい。



なのに続けている。

日本企業のゼネラリスト好きには3つの理由がある

利益的には全く役立たないゼネラリスト育成。

しかし、日本がそれでも育成を止めない理由は3つあります。

ーーーーーー
1、圧倒的な人間を作らない為
2、組織依存させてコントロールする為
3、人材の内部調達の為
ーーーーーー

この3つです。

それぞれ見ていきましょう!

【実話】圧倒的な人間を懲戒解雇!

1つ目の「圧倒的な人間を作らないため」から見てみます。

ジェネラリストをつくるために2―3年程度で異動させれば、「圧倒的にデキる人間」は生まれにくくなります。

それは熟練者になりそうなタイミングで異動することになるからですね。まぁまぁレベルで次の部署に異動することになる。

何故、圧倒的な人間をつくりたくないのか?

理由は扱いにくいからです。

本来ならば、圧倒的な人間に大活躍してもらう方が良さそうなのですが、日本ではそれは望みません。

ちなみに、タカヤの前職で、ぶっちぎりのトップ営業マンがいました。

どれくらいぶっちぎりかと言うと、同じ部署全員の営業成績よりも、その人1人の売上が多いレベル。完全に狂っていました。

ただ、その人は相当扱いにくい人でもあったため会社から難癖をつけられた結果、懲戒解雇になりました。

具体的には「顧客に虚偽の情報を伝えて、会社の信用を傷つけた」という理由でした。

真偽のほどは分かりませんが、私が何度か営業に同行した印象だと、「許容範囲内の情報提供」だと感じました。

それくらい日本では「圧倒的な人間を作らない」という習慣が徹底されています。

組織依存している人間は扱いやすい

日本がジェネラリストばかりつくる理由の2つ目は、「組織依存させるため」です。


何故なら、組織依存している人間は扱いやすいからですね。

これも1つ目の理由と似ていますね。

逆に、実力があるスペシャリストが育つと、企業側が交渉で不利になります。

スペシャリストが「給料あげて下さい。じゃないと辞めます。」と言ってきたら、企業側は給料をあげざるを得ません。

でも逆に、

その辺の実力もない平社員が「給料あげて下さい。じゃないと辞めます。」と言ってきたら。

企業側は「はいどうぞ。ご自由に。」で終わりでしょう。

このパワーバランスを企業有利にしておくためには、組織に依存させる必要があります。


つまりは、組織外でも通用する実力を持つスペシャリストを育成しない体制にしておく必要があります。

これがジェネラリストばかり育てる理由の2つ目です。

エゲツない中国人の統治術

で、ですよ。

この「自分に依存させておこう」という発想は、どの国・企業・個人にもあると思います。


企業が実力のある個人を育てないのは、組織に依存させるためですし。

メンヘラ彼女を持つ男が、あえて全て優しく受け入れるのも、彼女を依存させて甘い汁をすする為です。


この構図自体はどこにでもあります。


しかし、

「個人を依存させよう」と日本の組織が意識し始めたのは、儒教の影響だと思います。

儒教は大昔の中国で始まった宗教で、効率的な統治の教えがパンパンに詰まっている。


例えば、儒教の教えにはこんな一節がある。

「民は之に由らしむ可し。之を知らしむ可らず。」と。

つまり、「民衆を自分たちに依存させろ。でもそれについて詳しく説明する必要はない」と言うことです。

実際に、中国は2500年以上も前から儒教の思想を取り入れて、巧みに国を治めてきました。

そして、日本と中国は地理的に近いので、大陸の文化・思想がたくさん入ってきた。その中に儒教の教えを見つけた支配者が、儒教の教えを使って、統治し始めたのだと思われます。


ちなみに、

2020年の日本では、税金負担率は約45%で、20年前から9%近く上昇しています。



分かりやすく言うと、

同じ年収400万円でも、この20年間で可処分所得は40万円近く減っていると言うことです。

このように、ひっそり増税してきた分なので、日本政府は「知らしむ可からず」を地で行っている訳ですね。

まさに儒教の実践の賜物でしょう。

話はそれましたが、

これがジェネラリストを育てる2つ目の理由、「組織に依存させるため」です。

異動は将来の予習!

日本がジェネラリストをつくりたがる3つ目の理由は、組織内で人材を補充するためです。

基本的に日本は、これまで新卒一括採用・終身雇用でやってきた。

つまりは、新卒で入ったら定年まで勤め、定年退職した穴は社内異動で補充すると言うこと。

当然、穴を埋めるためには数年おきに職員を部署異動させる必要がある。その結果として、浅く広い知識を持ったジェネラリストが出来上がることになる。

これがジェネラリストを育成する3つ目の理由。


海外企業にフルボッコにされて焦り始めた日本企業

ここまで、日本組織がジェネラリストを育成する理由を3つ見てきた。

ーーーーーーー
・圧倒的な人間を作らないため
・組織に依存させるため
・人材を内部調達するため
ーーーーーーー

こうして眺めてみると、会社側は「いかにして社員を利用するか」を考え抜いていることが分かる。

常に会社有利になるように巧みに状況をコントロールしてきた。


そして、その試みは割とうまくいっていた。

それに加えて、日本経済が拡大していたから、うまいこと日本全員が裕福になれた。


でも大誤算が起きた!

それはグローバル化で、外国企業がバンバン日本に入ってきたこと。

当然だけど、海外企業は日本と違って横並び意識はない。みんなで利益をシェアしましょうとも考えない。



「喰うか食われるか」の勝負をしている。



日本人というウサギの群れに、空腹のオオカミが乱入してきたイメージ。

戦いを知らないウサギ同然の日本は、とても太刀打ちできない。

そりゃそうだ!


太刀打ちできないような「組織依存者」を大量に生み出すような制度を「わざと」作ったのだから。


結果、日本企業はボコボコにされて、今となっては時代が激変した。

あなたはジェネラリストからスペシャリストに向けて、キャリアの舵を切らなくてはいけない。

ジェネラリスト集団のウサギ達は、野生の王国でカラダをバキバキに鍛えたオオカミ達に必ず駆逐される。

そして令和時代の今、海外との戦いは避けられないものになっている。


このままでいいのか?


あなたも勝つ側にならないと、15年後どうなっていると思いますか?


45歳で放り出されて、コンビニバイト・介護職員で一生を終えることになるかもしれませんよ?



・・・・・



・・・・・



今日はジェネラリストについて語ったけど、最終結論としては、あなたにスペシャリストになって欲しい。

自分が面白いと思える人生を送って欲しい。

そう言うことです。

以上!