どうもタカヤです。

厚生労働省が2016年に出したレポート「働き方の未来2035年」はお読みになりましたか?

このレポートはその名の通り、2035年の働き方を予測したもので、とてもキラキラした内容になっています。


まるで文化祭当日の女子高生のごとくキラキラしています。


その内容を一部抜粋すると・・

3.一人ひとりが輝く2035年における働き方

3.1 時間や空間にしばられない働き方に
3.2 より充実感がもてる働き方に
3.3 自由な働き方の増加が企業組織も変える 
3.4 働く人が働くスタイルを選択する

「働き方の未来2035」p8−9より

耳に気持ちいい単語が並んでいますが、普通に疑問が湧きませんか?

本当にキラキラした2035年が迎えられるのか?

その疑問は、「本当にキラキラした働き方ができるのか?」という疑問です。


・・・・・・




どう思いますか?




・・・・・・




私は「一部の人はキラキラした働き方ができるけど、大半の人はキラキラしてない」と思います。

2021年現在、社会は二極化しています。


賃金格差・働き方の格差・国民総中流社会の終わりなど、金持ちはより金持ちになり、貧乏はより貧乏になっています。

この状況をより極端にした社会が、2035年にやってくるはずです。

つまり厚生労働省のレポートのようなキラキラした未来は、一部の人にしか実現しないということです。

何故でしょうか?

報酬が高くて面白い仕事は、一部のプロフェッショナルが独占する

何故なら、キラキラした仕事は、一部のプロフェッショナルが独占するからです。

2035年。


そのレポートによれば、仕事の大半はプロジェクト単位になると予測されています。

つまり、


1つのプロジェクトのために、プロフェッショナルをかき集めてチームを作り、プロジェクトの終了と同時にチームも解散する。メンバーは他の組織に移っていくことになります。

高校生の文化祭みたいな働き方

高校の文化祭みたいな感じです。


高校の文化祭といえば、まずムードメーカーが実行委員長になり、プロジェクトをスタートさせます。そのムードメーカーはおそらくサッカー部・野球部・バスケ部・ラグビー部のどれか出身でしょう。

次にしっかり者を連れてきて副院長にします。副委員長は文化系の部活に入っているパターンが多く、彼はフワフワした実行委員長のアイデアを現実的なプランに落とし込みます。


でもそれだけじゃプロジェクトは成り立たない。


副委員長が出した具体的なアイデアを実現させる現場のトップが必要。多少強引でも物事を押し通す、バチバチの行動派が求められる。このポジションは肉体派の陽キャが担当する。ラグビー部とか、野球部が多い気がする。

その他にも必要な人材をリクルートして、文化祭を成功させたらチームは解散となる。そして文化祭の次は体育祭に向けて、新しいチームを編成していくことになる。


プロジェクト単位で仕事をする2035年には、こんな未来になっている可能性が高い。

というか、

厚生労働省など国の機関は権力を駆使して、「プロジェクト単位で働く未来」を実現させようと動き出している。

当然、プロジェクトが終わるとチームが解散するから、終身雇用という概念はゼロ。正社員も消滅しているはずです。(というか「働き方の未来2035年」のレポートで、正社員が消滅すると明言しています。)


ここで話は戻る。


2035年、プロジェクト単位で仕事をする世の中。

何故、一部の人だけキラキラした働き方をしているのか?

一部のプロフェッショナルが市場独占する

それは、一部のプロフェッショナルが、沢山のプロジェクトを独占するからです。

働く場所を1箇所に限定する「正社員」という概念がなくなる以上、プロフェッショナルは複数の仕事を掛け持ちできるようになります。


そして企業側も、自社内からプロジェクトのメンバーを選ばなくてもよくなります。つまり、組織内にいる微妙な実力の人は無視して、日本中から一番実力がある人を集められるようになります。


するとどうなるか?


一番実力のある人に、人気が集中します。



そして一番人気のプロフェッショナルは、副業禁止の規定もないので、複数のプロジェクトに携わることができます。

こうなると、報酬が高くて面白い仕事は、一部の人が独占します。そんな人達だけはキラキラしています。

まるでキャバクラ!笑

この状況はまるでキャバクラです。


一部の人気嬢にはひっきりなしでお客がついているのに、そのほかの嬢にはほとんど仕事が回ってこない。

そして人気嬢であれば、ライバル店からも引き抜きの依頼はくるし、場合によっては「本を出してくれませんか?」と出版社からのお願いもくる。イベントにも引っ張りだこになる。

この一極集中があらゆる職種で実現するのが2035年。

組織で飼われていた猛獣が、檻を壊して外に出てくる

もっと分かりやすく言うと、動物園です。


動物園は、ライオンの檻・サイの檻・ゾウの檻・キリンの檻のように仕切られています。そして動物たちは、その檻の中でトップであればとても快適に暮らせる訳ですね。


この檻が会社です。会社の中でトップであれば、あなたはとても快適に働けるはずですし、部下をアゴで使うこともできます。

漫画 ワンピースで言うと、バロックワークス時代のクロコダイルみたいな気分です。その組織でトップの実力があるから、Mr.1からMr.13までを好き放題働かせています。


しかし、


2035年には「1社でしか働けない」という檻が全て破壊されます。

想像してみてください。

動物園の檻が壊れて、ライオン・サイ・ゾウ・キリンが場外乱闘している姿を。檻のなかでトップだったライオンは、サイに簡単に負けるかもしれませんし、そのサイもゾウには太刀打ちできません。

そうすると、ゾウがその動物園の食糧を全て独占するようになるでしょう。ライオンに肩を揉ませて、キリンに床掃除をさせて、サイに食糧を持ってこさせる。


檻が壊れたらそうなってもおかしくはありません。

2035年まで、約15年しか残っていない

もし政府の予測通り、2035年にそんな未来がやってくるとしたら?

残り時間は、約15年しかありません。

備えましょう。

自分が勝てる分野を見つけましょう。

その分野を勉強できる会社があれば、そこで実力を磨きましょう。

備えあれば憂いなし、です。

キラキラはしなくてもいいけど、せめてトップクラスの仕事ができるようになれば快適に暮らせるようになるはずです。